【メルカリが上場後初の決算を発表】2018年6月期通期

里 優裕(Ysuke Sato)
Sales Technology Lab
9 min readAug 9, 2018

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出典:[メルカリ]

なんとメルカリのLive決算発表を逃したので悔しいから、今確認して、この記事を書いてます。

(動画見れるように、リンク求む)

ということで、2018年8月9日(木)メルカリが上場後初の2018年6月期の決算発表がありました。

決算概況

売上高:357.65億円

営業利益:▲44.22億円

経常利益:▲47.41億円

コストは右図の「広告宣伝費」と「その他の費用」が大きくなっている。

出典:[平成30年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結) | メルカリ]

メルカリ事業

気になるメルカリ事業のカテゴリー別割合ですが、女性関連の「レディース」比率が多く、次いで「エンタメ・ホビー」、「メンズ」という割合。

これを見ても女性の利用者が多いことが分かる。

出典:[2018年6月期通期 決算説明会資料]

メルカリエコシステム

今後のメルカリエコシステムはIDに紐づいたウォレット!

出典:[2018年6月期通期 決算説明会資料]

メルペイをペイメントプラットフォーム中心に、「メルカリ」「メルチャリ」「レストラン・カフェ」「銀行等」で使えるようにするみたい。

出典:[2018年6月期通期 決算説明会資料]

これを見ても中国のジャック・マー 率いるアリババの芝麻信用を思い起こさせる。

芝麻神輿と言って、読み方は「ジーマしんよう」

急速なキャッシュレス社会が進む中国では、この芝麻信用という個人への評価経済が社会インフラ化している。

出典:[2018年6月期通期 決算説明会資料]

NRIから出てる記事が分かりやすかったので引用。

急速にキャッシュレス化が進む中国における決済プラットフォーム、アリペイが提供する「芝麻信用」は、中国の新たな社会インフラとして存在感を増している。個人の様々な行動履歴に基づいた信用スコアは、金融の領域にとどまらずシェアリングエコノミーなどの新たな経済を支えるインフラとなっている。

2004年にサービスを開始したアリペイ(支付宝、Alipay)は、2009年にアリババプラットフォーム上でモバイル決済アプリの提供を開始した。2016年には1.75億件/日の決済を処理したが、うち60%がモバイル上で行われた決済である。アリペイのユーザーは、2017年6月時点で5.2億人で、2016年の年間決済総額は約187兆円にものぼり、ユーザーの決済額平均は日本円で約32万円に達している。

アリペイの付帯機能として、2015年に個人の行動データを元にした「芝麻信用(Zhima Credit)」サービスが始まった。スコアリングには以下のような項目が利用されていると言われている。

・アリペイでの支払い履歴

・個人の学歴や職歴

・マイカーや住宅など資産の保有状況

・交遊関係など

芝麻信用にはアリペイ上の決済情報だけでなく、アリペイを運用するアリババグループのSNSサービスなどでの人間関係のデータも含まれている。また、学歴や保有不動産などのアリペイ上で把握できない項目はユーザー自らがオプトインによる入力で情報を提供している。

芝麻信用は350点から950点の範囲で信用スコアを算出する。この信用スコアは以下の5つの領域それぞれの指標を総合的に計算して点数化したものである。

1.身分特質(ステイタスや高級品消費など)

2.履約能力(過去の支払い履行能力)

3.信用歴史(クレジットヒストリー)

4.人脈関係(交友関係)

5.行為偏好(消費面の際立った特徴)

信用スコアは上から、950~700が「信用極好」、699~650が「信用優秀」、649~600が「信用良好」、599~550が「信用中等」、549~350が「信用較差(やや劣る)」と分類されている。正確なスコアリングの分布は公表されていないが、550から699の範囲に大半が分布すると推計されている。

ユーザーはこのスコアリングの点数によって様々な特典が受けられる。特にスコアが高く「信用がある」とみなされるユーザーは、生活上の様々なメリットを享受できる。

出展:[信用のプラットフォーム「芝麻信用」| NRI ]

続きは、NRIの[信用のプラットフォーム「芝麻信用」]の記事読んでね。

PL(損益計算書)

連結PLは、EBITDA(イービットディーエー or イービットダー)の記載がある、以下の画像が見やすい。

EBITDA= 営業利益 + 減価償却費

EBITDAとはEarnings Before Interest Taxes Depreciation and Amortizationの略で、税引前利益に支払利息、減価償却費を加えて算出される利益を指します。国によって金利水準、税率、減価償却方法などが違うため、国際的企業の収益力は一概に比較することはできません。その点、EBITDAはその違いを最小限に抑えて利益の額を表すことを目的としていますから、国際的な企業の収益力を比較・分析する際に用いられることが多いといえます。

出典:[初めてでもわかりやすい用語集 | SMBC日興証券]

出典:[2018年6月期通期 決算説明会資料]

BS(貸借対照表)

流動資産1142億円

固定資産35億円

— — — — — — — — 合計1177億円

流動負債443億円

固定負債190億円

純資産544億円

— — — — — — — — 合計1177億円

出典:[平成30年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結) | メルカリ]

図にするとこんな感じ。

固定資産の35億円をすべて純資産の544億円でまかなっているので、極めて健康な状態。

逆に、不動産事業を行なっているような企業は、BSの左下の固定資産が多くなりがちですが、メルカリの場合はその逆で、現金化しやすい流動資産の割合が多くなっている。

ということでCF(キャッシュフロー)も確認してみましょう。

CF(キャッシュフロー)

営業CF▲34.37億円(マイナス)

投資CF ▲19.44億円(マイナス)

財務CF 636.17億円(プラス)

これは、かなり勝負に出ている様子。

鍵はやはり、メルペイのウォレットでもある電子決済かなという印象。

ここ最近、LINE Pay、Apple Pay、そして銀行のモバイル決済等。

戦々恐々としているのは、国外のサービスでもある黒船アマゾン 、スマホ決済最先端の中国Alipay、Wechat Pay。

出典:[平成30年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結) | メルカリ]

メルカリはUS市場における立ち位置も考えている。

US市場のポジショニング

出典:[2018年6月期通期 決算説明会資料]

図を見てみると、一番左側にあるのがメルカリ。

モバイルファースト、C to Cフォーカス、オールジャンル、取引地域(全国)、配送サポート、決済サポートと、全てをカバーし勝負に出てる。

先日、この記事「メルカリってアメリカで使われてるの? 日本人留学生が知名度を調査」を読んで、メルカリの決算見ると、面白い。

電子決済市場(国内)の成長可能性

出典:[2018年6月期通期 決算説明会資料]

今後のメルカリの動向が楽しみです。

個人的には、投資事業のメルカリファンドや研究開発組織のmercari R4D(アールフォーディー)が気になってます。

メルカリ決算短信

平成30年6月期 決算短信〔日本基準〕(連結)

メルカリ決算説明会資料

2018年6月期通期 決算説明会資料

Yahoo!ニュースでNHKによる動画もあったので併せて見てください。

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